9月の基調的なインフレ率はたった2.1%増!円安・物価高騰下でも日銀が利上げしない理由は?日銀が注目する3つの指標は?物価高騰で企業の純利益は過去最高!J-REITを購入して分配金という不労所得を得るのも一案

日本銀行が公表した2025年9月の「基調的なインフレ率」によると、各指数は前年比で下記の通りでした。

・刈込平均値:2.1%増(物価変動の大きい品目を刈り取ったときの平均)
・加重中央値:1.4%増(物価上昇率を並べたときに真ん中に来る品目の上昇率)
・最頻値:1.7%増(最も多くの品目が集中する上昇率)
(出典:日本銀行、「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」、本記事作成日に検索

基調的なインフレ率は、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後を目途に原則公表されています。

日銀が注目するもう1つのインフレ率は「基調的なインフレ率」

最近、ニュースで「インフレが続く」「物価が上がってる」と聞きます。しかし日銀が見ている物価はニュースで言う「CPI(消費者物価指数)」ではありません。

というのも普通のCPIは、ガソリンや野菜など値動きの激しい品目の影響でブレやすいです。

一方で日銀が知りたいのは「この先も続く物価の上昇トレンドがあるか?」です。日銀が注目しているのは「基調的なインフレ率(物価上昇率)」であり、これは一時的な値上げや原油高などのノイズを取り除いた「日本経済全体のインフレの芯」を測る指標です。

基調的なインフレ率として、日銀は具体的には下記の3つの指標を使っています。

日銀が注目する3つの指標

指標名概要特徴
🔹刈込平均値物価変動の大きい品目を刈り取った(切り落とした)ときの平均重視されることが多い。全体の基調を表す。
🔸加重中央値物価上昇率を並べたときに真ん中(50%近傍)に来る品目の上昇率安定性が高く、ノイズに強い。
🔹最頻値最も多くの品目が集中する上昇率家計の実感に近いとされる。

日銀がすぐに利上げしない理由

基調的なインフレ率は、エネルギーや食料などの一時的に動く項目を除いた「日本経済全体のインフレの芯」を表します。特に刈込平均値が日銀の政策判断の中心に置かれていると言われており、「2%の物価目標」を達成しているかどうかを測る際にも参照されています。

最近では、刈込平均値が約2%前後で安定しているため、日銀がすぐに利上げしないと言われています。

SNSでも話題:体感的なインフレとのズレ

「スーパーの値上げは止まらないのに、物価は2%で安定しているって本当?」

この違和感、多くの人が感じています。しかしその理由はシンプルで、下記の通りです。

  • 日銀が見ているのは、一時的な値上げを除いた平均(基調的なインフレ率)
  • 私たちが感じるのは、実際に払っている値段(体感的なインフレ率)

両者は別物なのです。

まとめ:日銀の「物価の見方」を知るとニュースがよりわかる

ニュースで「インフレ率◯%」「利上げのタイミング」と聞いたとき、その裏で日銀が注目しているのは、

・刈込平均値
・加重中央値
・最頻値

という3つの「インフレの芯」です。

もしこの3つが2%を超えて安定すれば、それは日本が本格的にデフレを脱したサインとなる可能性があります。

そして、それは給料・ローン金利・株価にも確実に影響が出てくると見られます。

国内上場企業の純利益は過去最高

基調的なインフレ率は体感よりも低いものの、物価高騰は着実に進んでいます。物価高騰の中、国内上場企業の2025年3月期の純利益は4期連続で過去最高を更新しました(詳細はこちらの外部記事を参照)。上場企業が、物価高騰によるコストアップ以上に売り値を上げて、純利益を拡大していると見られます。

純利益は株主に分配されている

2025年3月期については、配当総額は約18兆円と4年連続で過去最高となる見通しです(詳細はこちらの外部記事を参照)。過去最高の純利益は、配当金として株主に分配されているようです。

上場企業の株を購入して、配当金という不労所得を得るのも一案

以上の通り、過去最高の純利益は、配当金として株主に分配されています。そこで本記事作成時点では、個人や法人の投資先として上場企業の株も一案だと当社は考えます。株を購入及び保有することにより、銘柄によっては、配当金という不労所得を得ることが可能となります。

物価高騰の中での投資先に関し、日経新聞では、「J-REITはインフレ経済において投資妙味が高いと考える。」と延べられています(詳細はこちらの外部記事を参照)。

J-REITは厳密には株ではなく不動産投資信託です。ですが証券取引所に上場されており、株と同様に売買が可能です。

投資先の一例はJ-REIT

そこで、投資先の一例としてJ-REITも一案だと当社は考えます(J-REITの一覧はこちら)。J-REITには下記の通り様々なタイプがあり、どのタイプの不動産に投資するかについて投資家が選択することができます。

・事業所(オフィス)主体型
・商業施設主体型
・物流施設主体型
・ホテル主体型
・住居主体型
・総合型
・複合型

当社では、J-REITに関連した記事も投稿しております。銘柄の紹介も行っておりますので、下記のリンクからご参考に御覧ください。

ホテル系J-REITに関連した記事はこちら
オフィス系J-REITに関連した記事はこちら
住居系J-REITに関連した記事はこちら

【留意点】
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・本記事のいかなる内容も将来の市場環境、将来の投資収益等を保証するものではありません。投資する金融商品の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。

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