訪日外国人数4000万人の目標は達成できるのか

観光庁は2020年までに訪日外国人旅行者数を4000万人以上にするという目標を掲げている(観光庁のHPはこちら)。これは観光先進国へ向けた新たな国造りの一環だ。

では、果たして達成できそうなのか。残念ながら以下の理由から、達成は困難だろう。

次のように2015年から2017年までは、訪日外国人旅行者数(概数)は順調に伸びていた(出典はこちら)。
2015年:1900万人
2016年:2400万人(前年比+500万人)
2017年:2800万人(前年比+400万人)

つまりその数は、概ね年間400万人のペースで増えていた。このペースなら、2020年には4000万人を超えるはずだ。しかし、次のように2018年と2019年には増加幅が縮小した。
2018年:3100万人(前年比+300万人)
2019年:3200万人(前年比+100万人)

単純計算だが、2020年の訪日外国人旅行者数は3300万人程度となるだろう。

増加幅が減少している理由は多々あると思われる。その1つは、次のように、韓国からの旅行者数が大幅な減少に転じたことだろう。
2017年:710万人
2018年:750万人(前年比+40万人)
2019年:550万人(前年比-200万人)

減少の理由は、日韓関係の悪化だろう。現状では関係が改善する兆しは見られない。このため、関係はすぐには修復されないだろう。

訪日外国人旅行者数は全体的には増えているものの、上記のように増加幅は減少している。これは、将来を見据えて積極的に設備投資や人材採用を行ってきた観光業界にとっては厳しい状況だろう。

2020年は始まったばかりなので、まだ時間的余裕はある。4000万人という目標の達成が困難であっても、事態を打開する政策を取ってもらいたいものである。

  • コメント: 0

関連記事

  1. [2019年 年末年始]行きたい旅先ランキング

  2. 日本人は余暇をどう過ごしているのか

  3. [2023年2月]訪日外国人数、今月も140万人超え

  4. [2023年1月]訪日外国人数、単月で140万人超え

  5. [2024年10月]訪日外国人数331万人、過去最速で累計3,000万人突破

  6. [2022年]訪日外国人数、年間383万人

  7. コロナウイルスの影響で訪日外国人数が58%減

  8. [2023年3月]訪日外国人数、昨年10月以降で最高

  9. [2020年8月]国内旅行が更に回復

  10. [2022年11月]訪日外国人数、100万人弱まで急回復

  11. [2022年5月]訪日外国人数、2ヶ月連続で10万人超

  12. [2022年10月]訪日外国人数、前月の2.5倍に

  13. [2020年11月]宿泊者数・客室稼働率が共に回復傾向

  14. [2022年9月]訪日外国人数、コロナ以降初めて20万人超

  15. [2024年通年]訪日外国人数3,686万人、過去最多を更新

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。